海苔と言えば佐賀県有明海が頭に浮かんでくる方も多いことでしょう。
それもそのはず、有明海産の海苔は日本の生産量の50%以上を占めます。その中でも佐賀有明海は約25%を占めています。
佐賀県有明海で海苔の養殖が始まったのは今から約60年以上前。生産量、金額とも13年連続日本一の佐賀有明海の海苔の歴史は意外にもまだ浅いのです。
有明海を日本一の養殖場までにした理由は、有明海にしかない独特の自然環境、
そして何よりも、県と漁協、生産者の方々が一体となって、美味しい海苔の生産に取り組んできたことです。
有明海には、112もの河川が流れ込んでおり、阿蘇山、天山などの山々の恵みを運んできてくれます。
その河川の水と海水が混じり合うことで適度な塩分濃度を作ってくれます。
また、遠浅の海が10kmほど続くことも海苔の育成に適しています。
どちらも他の海にはない、独特の自然環境です。
しかし、自然環境だけでは海苔の養殖は上手くできません。 生産者がバラバラに海苔を育てれば、生産量はおろか品質も安定しません。 区画整備による漁場の環境整備や、養殖技術の開発や継承に、一丸となって取り組んできたからこそ、佐賀有明海苔は日本一へと発展していったのです。 そしてその中でも、最大の生産量を誇るのが南川副支所です。
有明海独自の養殖方法、それは支柱式養殖と呼ばれている方法です。
海苔の養殖は、かき殻で育成した海苔の種を網に付け、その網を海に張って行われます。
他の地域では、海苔網を常時、海に浮かべる浮き流し式養殖が主流だそうですが、支柱式とは、その名の通り、海に差した支柱に網を固定します。
有明海は干潮時と満潮時で約6mも海面の高さが変わります。
支柱で固定された海苔網は、干潮時には海面から顔を出し、寒風にさらされながら天日干しの状態になります。これによって海苔の成長に必要な光合成が促され、旨み成分が増していくのです。
支柱式養殖は、海の干満差が大きい有明海だからこそできる養殖方法です。
海苔は、日中は光合成、日没から夜にかけて細胞分裂を行い成長していきます。
そのため、摘み取りは、海苔も眠った状態の夜中から朝方にかけて行われます。
「海苔は同じ場所から摘んでも、日をまたぐだけで品質が全く異なります。
特に『一番摘み』はわずかな時間で大きく変わると言ってもいいくらいです。」
取材の最中、南川副支所の田中さんのこの言葉に、一緒にいた漁協の方々はみんな一斉に頷きます。それくらい、海苔はデリケートなのです。
摘み上げられた海苔は、各漁家で細かく裁断した後、抄いて板状に成形、乾燥されて「乾のり」となります。
仕上げの焼き工程を行っているのは㈱サン海苔です。
サン海苔では、乾のりを生産者毎に管理しています。
焼き工程においても、海苔はとてもデリケート。焼き加減も海苔によって異なるというのです。
有明海の海苔の特徴は、支柱式で養われた旨味、柔らかさ、そして口どけの良さです。
柔らかいだけに温度調節にも気を遣います。
海苔が変われば、その都度、温度と時間を変えて試し焼きをし、風味、味、色を確認してから商品の製造に入ります。
サン海苔は、佐賀県有明海漁業協同組合が母体となって生まれた海苔の加工会社です。
それだけに生産者との距離が近いのも、サン海苔の魅力のひとつです。
「美味しい海苔を食卓に届けたい」という強い想いが、焼海苔1枚1枚に込められています。
漁協の方が仰るには、「美味しい海苔は出汁がでる」とのこと。
目一杯、自然の恵みを受けて育った佐賀有明海の海苔は、色々な旨味を豊富に含んでいます。
出汁がでる、というのも納得です。
パリパリと歯切れの良い食感を活かして、おにぎりや手巻きにしても良し。
柔らかさを活かして、ラーメンやみそ汁などに溶かしても良し。
佐賀県有明海南川副産の海苔の旨味、食感をぜひご賞味ください。
商品情報
商品名
一番摘み 焼海苔 佐賀県南川副産
原材料
乾のり(佐賀県南川副産)
栄養成分値 2切10枚(15g)1袋当たり
加工・製造場
会社名:株式会社サン海苔
所在地:佐賀県佐賀市光二丁目2番1号