国内生産量の約半数を占め、乾椎茸の生産量日本一の大分県。
大分の乾椎茸栽培には、主にクヌギの木が原木として用いられます。大分の自然環境がクヌギの生育に適していることから、椎茸栽培の原木や薪炭(しんたん)材として盛んに里山へ植林されたことで、現代にも豊富なクヌギ林があります。
農業でも機械化が進む中、乾椎茸はほとんどが人の力によって生み出されています。それゆえ、自然環境だけでなく、生産者によっても出来に差がでます。他の生産者が「到底まねできない」という手間と時間をかける、それが乾椎茸づくりの匠、小野晋作さんです。
良質な椎茸を収穫するためであれば、深夜でもホダ場(椎茸を栽培する場所)に足を運び、たとえ一葉でも乾燥にかける、そんな並々ならぬ情熱をもつのが父、九洲男(くすお)さんです。全国乾椎茸品評会での輝かしい受賞歴に裏打ちされた、乾椎茸づくりの神様と称される方です。
小野晋作さんは、九洲男さんから伝統の製法と最高の技術を受け継いでいます。
「明るいやろ」と小野晋作さんが招き入れてくれたホダ場は、木漏れ日が降りそそぐ清々しい場所でした。枝が横に生長していくヒノキ林をこまめに間伐や枝打ちすることで、ホダ場に差し込む光の量を調節しているそうです。
秋から冬にかけてはビニールをかけて、温度が下がらないようにします。逆に日当たりが良いと温度が高くなりすぎるため、菌が枯れてしまいます。絶妙な光量や温度、ホダ場に通る風の調節により良質な椎茸が生長するのです。ホダ場の管理を適宜行うことで、生育に最適な環境を維持しています。
小野さんがホダ木に植え付ける椎茸の種は24万個、ホダ木本数でおよそ13,000本にもなるそうです。椎茸はホダ木に適度な刺激を与えることで生長が活性化するため、小野さんは上下にひっくり返したり叩いたりして、その一本一本に手を加えています。
芽が出た椎茸は時間単位で大きさが変化し、次々と収穫の時を迎えます。
収穫されてまもなく変色が始まってしまう為、すぐに乾燥小屋へと運ばれます。そしてトレイごとに大きさや厚みに分けて並べられ、乾燥機でじっくりと半日かけて乾かします。
この乾燥機は温度と時間を10段階で細かく設定できますが、小野さんは乾燥も機械に任せきりにはしません。乾燥中も椎茸が型崩れしないよう、丁寧かつ素早くひっくり返しながら、その時の感触で乾燥具合を確認し、適宜トレイの段を変えたりします。一枚一枚、形も大きさも異なる椎茸を、均一に乾かしていくためです。
父、九洲男さんと同じく、全国乾椎茸品評会での受賞を何度も経験する小野晋作さん。品評会では審査員に形だけでなく、「美味しい」と味も評価してもらえることが一番うれしいそうです。
小野さんは伐採する時から椎茸を乾燥させるまで、すべての工程に手間をかけています。
理屈は分かっても、他の生産者が真似できないこの手間こそが、小野さんの乾椎茸づくりに対するこだわりなのです。
父から受け継いだ栽培技術で、小野晋作さんが手間と時間を惜しまずつくった乾椎茸です。香り豊かな深みのある味わいと、食感の良さがお楽しみいただけます。ぜひご賞味ください。
大分伝承料理のレシピ
乾しいたけの旨煮
材料:
①乾しいたけはひたひたの水にひたし、冷蔵庫で一晩以上かけてゆっくり戻す。
(しいたけの大きさや厚みによって調整し、もどし汁はとっておく)
②鍋に濃口しょうゆ、みりん、砂糖、もどし汁を加えて強火で煮立たせ、
そこに石づきを取ったしいたけを入れ、アクを取りながら、ひたひたの状態で煮る。
③煮汁が煮立ったら弱火にし、菜の花油、オイスターソース、鷹の爪を加え、
落としぶたをして、さらに煮含める。30分から1時間程度が目安。
※よく冷ましてから、冷蔵や冷凍保存しておくと便利です。
「引用元:大分乾しいたけ食のモデル地域推進協議会」
にぐい
材料:
①乾しいたけは一晩かけて戻しておく。鶏もも肉は一口大に 。
ごぼう、にんじん、れんこん、大根はよく洗い、皮つきのまま乱切りにする。
里芋は皮をむき一口大に切る。こんにゃくは一口大に切るか、ちぎっておく>。
②鍋を強火で熱して油をひき、鶏もも肉を炒める。
表面に火が通ったら、野菜とこんにゃくを入れてさっと炒め、しいたけともどし汁を加える。
③濃口しょうゆ、みりん、酒、砂糖を加えて煮る。途中、味をよくみる。
煮しめていくと煮汁が減るので、はじめは薄味でよいが、味のバランスはしっかりと調整しておく。
④落しぶたをして、弱火で煮含める。
※汁物としていただいたり、煮しめて煮物として食べたりする。
「引用元:大分乾しいたけ食のモデル地域推進協議会」
商品情報
商品名
小野晋作のあつにく椎茸
原材料
しいたけ(原木)
栄養成分値 1袋(30g)当たり
加工・製造場
会社名:株式会社オーエスケー
所在地:大分県杵築市八坂1759